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我に返って
「あ"〜!俺気持ち悪い!なんであんなこと言ってしまったんだよぉ…」
あの後、何事もなく授業を受けて一緒に下校した。
紳士に対応すべく、もちろん家まで送った。
そんな善良な意思から来る行動を、家をつきとめていつでもパシれるようにするつもりだな、なんて思っていた春を、浮かれている瑞希は気づかなかった。
むしろ、人目を気にして手を離したり繋いだり、カバンを握って周りをキョロキョロしている姿はとても可愛いと思っていたくらいだ。
「…嘘、だよな?マジで付き合ったのか???」
ふと不安になり、スマホを取り出した。
開く画面は、春とのトーク画面だ。
【俺たち付き合ってるよな?】なんて送れば直ぐに既読の文字がつき、【はい】の返事。
瑞希は軽く舞い上がった。
「恋人、出来ちゃったよ…」
そんなことを呟きながら、春の大きな瞳を思い出した。
「目、綺麗だったなぁ。大きくて可愛いし、色も綺麗だった。もう可愛すぎるだろ…」
瑞希は自室のベッドでバタバタと暴れた。
のちに、母親に怒られたのだった。
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