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カイル達は試されていた。
それは、つるつるテカテカと光る巨大な銀色の卵だった。
高さは身長175cmある僕よりも頭一つ分以上大きく、幅は両手を広げて抱きしめられるかなといったくらい。
卵とはいったが、あくまで形だけのものなので本当に生物の卵なのかはわからない。ただ楕円形で、縦に長く、人類がよく知る卵にそっくりな形をしているからというだけだった。
表面はつるつるしていて、キラキラとした塗装が光っている。まるで、小さな星屑をちりばめたかのようだ。
「これってあれだよなあ」
僕と一緒に調査に来た先輩が、あごひげをジョリジョリと触りながら言ったのだった。
「この間来た、トリオット星人の方々の忘れ物、ですよね?」
「……多分」
僕も、先輩も、周囲の研究者たちも。
さてどうしたものか、と途方に暮れたのだった。
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