第16話 価値観の違い

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 さて、明日は何があるのかな。カナンのあの感じだと、楽しいイベントが発生するに違いない。  少し遠くのほうでカナンの大きな声が聞こえてくるから、きっと他のみんなにも声をかけているんだろう。  少人数で行う小さなイベントも好きだけど、やっぱり全員参加の大規模な催しのほうが楽しい。みんなも予定が合えばいいな。  そんなことを考えながら、私は開けっ放しにされた扉を閉めるために立ち上がった。  扉に手をかけて廊下を見渡したけれど、カナンの姿はなかった。  明日は何があるのかはもちろん、何時にどこに集まればいいのか、それすらわかっていない。  きっといつも通りに過ごしていれば勝手にイベントが始まっているんだろうから、気にしないことにしよう。  私もだいぶここでの暮らしに順応できるようになった。
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