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入店
〜あなたが忘れたものは何ですか~
カラオケ ゲームセンター 居酒屋..
活気あふれる街並みにそぐわない占いの館のような店を目にした。
「忘れ物館 雅」
バーのようなオシャレな字体に、店内から光り輝く紫のイルミネーション
あんなに目立つのに足を止める人は僕しかいない。
二十五歳の誕生日を迎えたばかりなのに未だに恋愛経験はゼロ
彼女いない歴=年齢ってやつ
幼馴染の優子と和也とよく遊んでいたが、最近は1か月に一回あるかないかのLINE の会話だけ。
平社員で成績は振るわぬまま 後輩に馬鹿にされる始末。
あれだけ後輩にマウントをとっておいてと同僚にも見放された。
昔の傲慢な態度のおかげで優子とも疎遠になってしまった。
周りが残業の中 自分だけは定時で帰宅
始めは肩身が狭いなんて思ってたけど、今になっては当たり前だと思っている自分もいる。
変えたいと思う自分 悪いと思わない自分
そんな葛藤をするうちに館の方へ足を進める。
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