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「なるほどね 私の得意分野だわ。
じゃあ横になってちょうだい。」
ベッドに横たわる。
ベッドの真上には天井に吊り下げられた機械がある。
「今から下がるから 目をつぶって頂戴ね。
目を開けたら失明しちゃうから絶対に開けないでね。」
言われたとおりに目を閉じる。
機械が下がる音が段々と高くなる。
「目を開けていいよ。」
暗闇が広がる、目を閉じた時の視界と変わらない。
みやびさんの声だけが自分の存在を示している。
「どう? 目を開けた感じしないでしょう。
今貴方は忘れた記憶を取り戻す旅に出てるの。
あなたの忘れ物は高校三年と社会人二年目のところにあるみたいだわね。
必ずしも記憶は取り戻せるかわからないけどあなたにとって良い結果になることを望んでいるわ。
力を抜いていいわ。 あなたが記憶を取り戻したと思ったら現代に戻すからね。
じゃ始めるよ。 」
機械は静かな音を放ち、僕は過去へと向かった。
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