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「さぁこれが高校三年の時の記憶よ
タイムスリップするなんてできると思ってなかったでしょ。」
静かにうなずきながら、手慣れた手付きで機械を操作するみやびさんを見つめる。
「よくわかりませんでした。
正直言って初めて経験したような感覚した」
「まぁ忘れてしまっているからね。
無理もないわね。
何かヒントになることもあった?」
首を横に振る。
みやびさんは細い顎に手を載せて、小刻みに机を叩き込みながら何か考え事をしている。
「じゃあ 今度は二つ目の手がかりを探ってみようかしら。
そしたら何かヒントを得られるかもしれない。
高校三年の時よりこれから向かう社会人二年目の方がゲージが高いから、思い出せる可能性が高いわね。」
そんなことまでわかるのかと仰天する。
社会人二年目 仕事が一気に増えと同時にミスも比例して増えていき、肩身が狭くなりだした時期でもあった。
思い出したくない過去ではあったが、どうにか手がかりを見つけ出そうとベッドに横になる。
そして再び機械が作動すると光に包まれた。
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