どうしても最後に伝えたい、ありがとう、と。

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「ちゃんと、あの人と決別してきました。だから、私、あなたの事を好きでいて良いですか?」  『あの人』とは長い付き合いで、切るに切れない存在だったらしい。  それでも向き合い、俺を選んでくれた。  無理をさせてしまって申し訳ないと思ったが、彼女の言葉を聞いて一瞬のうちに俺の世界が華やかになった。  彼女がそばにいれば、世界は華やいだままだった。  相変わらずの勉強とアルバイト、家事三昧の日々だったが、隙間に彼女に会う、その隙間を少しでも多く作るために全ての事に真剣に取り組む。充実した毎日だった。  いつしか小さかった妹も大きくなり、頼れる存在になった。  母親も再婚し、自分の必要性が薄くなった。  だけど、彼女がいてくれたおかげで俺は腐ることも無かった。  彼女とならどんな辛いことも深い悲しみも乗り越えられた。  世界は色付いたままだった。  ーーー彼女の世界は?
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