7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちゃんと、あの人と決別してきました。だから、私、あなたの事を好きでいて良いですか?」
『あの人』とは長い付き合いで、切るに切れない存在だったらしい。
それでも向き合い、俺を選んでくれた。
無理をさせてしまって申し訳ないと思ったが、彼女の言葉を聞いて一瞬のうちに俺の世界が華やかになった。
彼女がそばにいれば、世界は華やいだままだった。
相変わらずの勉強とアルバイト、家事三昧の日々だったが、隙間に彼女に会う、その隙間を少しでも多く作るために全ての事に真剣に取り組む。充実した毎日だった。
いつしか小さかった妹も大きくなり、頼れる存在になった。
母親も再婚し、自分の必要性が薄くなった。
だけど、彼女がいてくれたおかげで俺は腐ることも無かった。
彼女とならどんな辛いことも深い悲しみも乗り越えられた。
世界は色付いたままだった。
ーーー彼女の世界は?
最初のコメントを投稿しよう!