ストップ、忘れ物!

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ストップ、忘れ物!

「あああああああああ携帯がない!充電器に置きっぱなしだコレ!」 「カコちゃん、またぁ?」  会社に響く、私の絶叫。  隣の席の同僚である、真面目系女子の柚子ちゃんは。呆れたように私を見て言ったのだった。 「カコちゃんは、本当に忘れ物が多いよねえ。何か対策しないとまずくない?」 「対策はしてるよお!会議資料を忘れるな!ってテーブルに貼ってから出ていったんだもん。だから、資料は忘れないで済んだんだよお」 「で、メモに書かなかった携帯を忘れていった、と」 「……ソウデス」  わかっている。この忘れ物癖をなんとかしなければ、そのうち私は致命的な失敗をやらかすだろう。それだけは避けなければいけない。いけないのだが。 「今度は会議資料だけじゃなくて、必要なものは全部メモに書いておくのをお勧めする」  柚子ちゃんが、わたわたしている私の背を撫でながら言ったのだった。 「でもって、絶対に視界に入るところに貼っておくのがいいよ。そうすれば忘れないでしょ?」
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