別世界の境界線

１１

　視界の端に蠢く何かが映り、そっちを見たら今の二人のやり取りを聞いていたらしい、今にも鼻血を吹き出しそうな影山他腐女子２名の姿があった。

　影山と目があい、影山はニタリと笑ったかと思うと何やら携帯を触りだした。

　すぐに俺の携帯が震え、見れば影山からLINEが届いている。

　あ。女子から連絡来たの、この携帯初かも。

　女の子からくるLINEなら、例えそれが限りなく事務連絡なものだったとしてもテンション上がるだろうと思っていたのに、案外そうでもなかったな……。

　で、平林さんからLINEもらったとこを想像したら悶絶しそうになった。

　……マジでこれやばいかも。

　しっかりしろ俺！！

　影山には柔らかい（かもしれない）オッパイあるけど、平林さんにはないんだぞ！！

『イトコにどーぞ』

　キモかわいい猫だかタヌキだかが身悶えてるデコメについてきてたのは数枚の画像。

　ハチマキをリボンと見立てれば平林さんそのものがプレゼントになる、どうやって撮ったんだと思える程に可愛さが強調されたショットを一枚目に、ちゃんと本人達（複数系のここ重要）の了解を得て撮ったと思われる画像と、盗み撮りと思われる画像。

　影山の趣味が反映されてるせいで必ず黒川が横にいて、影山の趣味が反映されてるから、その中の二人はとてもいい雰囲気で……。

　モワモワと湧き上がる変な感情。

　ああ、俺、なんか完全に腐女子の思想に侵蝕されとるわ。

　そして影山よ。俺のイトコはクロ×ヒラを望んでるのではなくて、平林さん単体の画像を所望しておるのだが……って、まあ、イトコおらんけど。