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 はうっ。  眼鏡かけてねー。  なんかもう超キレー。  最近どんどん綺麗に見えるのは、俺の見方がアレなせいなの?  咳はとまらないけど、喉は痛いけど、そんなことを忘れさせる程の威力があった。 「粉ジュースの攻撃力やべーっすよ。食ってみます?」  山口は言いながら俺の食いかけの袋を平林さんの前で傾ける仕草をした。 「何、それ、菓子?」  平林さんが手のひらを差し出し、山口はそこにサラサラと緑の粉をふり出す。 「美味い?」  平林さんに横目で見られた俺。ドギマギしながら、なんとか返事をしようと口をあけた。 「いや、味とかいう話じゃ………っ!?」  ななななななにぃ×10。  横目でこっちを見ながら、手のひらに乗せた緑の粉を尖らせた舌先でチロっと舐めるその姿に心臓を持っていかれそうになる。  いかんて。  尖った舌が……。  たまらん。  エロ過ぎる。  風呂上がりで頬が上気してるのが一層色っぽさを強調して、その半端ない威力にもう目が離せない。  平林さんは眉をギュウっとしかめると、 「うぇー。俺これダメだ」  と言いながら、手の平に残った粉をベロっと舐めとった。  いや、だから舌がっ。  もう可愛いやらエロいやら。  なんなのっ、もう!!!  え?  なんなの? 「つかこれ水入れて飲むやつじゃねえの?」 「そーすかね。まあその方が不幸出さないわな」  山口は俺の惨事を目にしたからかそんなことを言い、手にした小袋をさしあげて眺める。 「水入れてみよ」  平林さんは言うなり自販機で水を買うと、その水を山口が開けた小袋の中に流し込んだ。 「こんくらいか」  そして山口から袋を受け取ると、口につけて上を向く。  上下する白い咽喉が、初めて平林さんを意識し始めた時を思い出させた。  それだけでもう十分に、レジ袋で隠された俺の俺ちゃんが落ち着かなくなってるってのに、雫が垂れないようにとの配慮だろう、袋をパクリと咥えたもんだからレジ袋の底がミリ単位で浮いてしまった。  イリュージョンだ。
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