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いつものエロ鑑賞メンバーで部屋に集り、何やら怖い話をすると言う流れになったわけだが……。
「中学の時だ。親が葬式でいない日に、ここぞと思ってこんにゃくオナニーやってみたんだよ」
「マジで!? え? おまえ強者かよ。正直どうだった?」
「いや、まあ待て。そっちの感想は後だ。とにかくやったんだよ。切り込み入れて、鍋で人肌にあっためて。で、まあそれなりの達成感を覚えた俺は、とりま心地よい眠りについたわけだ。」
「うんうん」
「で、夜中、何か気配がして目が覚めたんだけど」
「うん」
「葬式から帰った親が、味噌田楽食ってた……」
「ま、まさか……」
「うむ」
「うーわ。ちょーこえーっ!!」
「やっべっー」
さっきから隠してあったはずのエロ本の位置が変わってたとか、オナってるとこに兄貴がきたとかそんなんばっかだ。
「うーむ。俺的には関谷の優勝だな。オナニー死、身近すぎてこえー」
「テクノブレイク。胸に刻んどけ」
「おおー」
俺が胸に拳を当てて格好良くポーズを決めたら、奴らは手を叩いて賞賛してくれた。
愛すべきバカどもだ。
テクノブレイクってのは性ホルモンの過剰分泌で起こる身体異常で、要は一人エッチもやりすぎたら死ぬことがあるって話。
「一回のオナニーで100メートル全力疾走らしいからな。回数こなせば過労死もあるわな。あ、それと寸止めがヤバイらしいぞ」
「……親にバレかけても寸止めぜったいしねーぞ、俺」
「いや、俺親に放出シーン見られるくらいなら、ティッシュ握って死ぬわ」
「ばっ、残された親の無念考えろ。金かけて十八年も育てた息子が尻放り出してオナ死にはねえぞ! 胸はって葬式もできゃしねえ。……で、コン二ャクの具合はどう?」
竹原が真面目な顔してあまりにもあまりなこと言うから、危うく口に入れてた水を吹き出すとこだ。
「お、おまえ、今俺の警鐘に深く頭を垂れてたってのに早速かっ。なんて快楽に貪欲なんだっ! 恐ろしい子っ」
「なんだよ。聞きたくないのか?」
「いや。興味深々だ」
そこはそうだろ。
俺も試そうとは思ってたけど、レジでなんて思われるかとか考えたら、コンニャクを買いに行くことがもう恥ずかしくてできなかった。
思い込みだろう。そうに違いない。
でももし俺がバイトをしていて、中高生男子がカゴにコンニャクを入れていたら、グッドラック! と心の中の声が視線に現れてしまうだろうから。
したがって俺はコンニャクの購入に踏みとどまるのだ。
「まあ、気持ちいいけど、温めんのがぶっちゃけ面倒だな。なかなかイケないと冷えてくるしさ。やっぱちょい固いし。オナホールのがいいわ」
「マジかぁ」
「言ってて辛いな」
「聞いてても辛いもん」
「あー、もう幽霊でもいいから女の子とやりてーなぁ」
……平林さんなら男でもアリだがな。
平林さん。今日も美しかった。いや、つーか。日増しに綺麗になってる気がする。
髪切ったときはビックリしたけど、若く見えるようになったのに色気が増してくギャップがたまらない。
「……なあ。GW実家帰ったときにさ…」
今まで比較的口を開かなかった向島が、ぼそりと話始めた。
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