浅葱色に染まる

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 表面にぷくぷくと「藍の華」が建った甕に、棒に巻き付けたまま縮めた木綿布を浸ける。  一度目、引き上げて空気に晒す時、全ての布は浅葱色に染まる。  発端の色は同じだ。  それは藍甕に浸すごとに色味を変えていく。  萬吉は額の汗を拭い、蝉の物悲しい声を聞きながら、もう一度、布を巻きつけた棒を甕に入れた。  時が来るまで、待つを決めながら。 〈おわり〉
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