「 お兄ちゃんはクリストファーⅢ世 」

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……こうして、あたしに、いきなり、外国人のイケメンの、それも、元王族のお父さんとお兄ちゃんが出来たのだった。 それでも、日常生活は、容赦なく始まる。 リチャードⅠ世さまは、一応、病気療養ということなので、表にはあまり出られない。 主に、主夫として、家事をすることになった。 リチャードⅠ世さまは、料理が趣味らしかった。 「ミユ……オベントウ、ツクッタヨ」 そう言いながら、学校へ行く支度をしているあたしに向かって、新しいお父さんが、恥ずかしそうにお弁当箱を差し出した。 「お、お父様っ! 恐れ多くもありがとうございますっ!」 あたしは、お弁当を、うやうやしく、両手で受け取った。 すると、お父様が、残念そうに言った。 「ワタシモ、『オトウチャン』、ヨンデホシイ……」
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