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お兄ちゃんと本郷くんは、最初から、竹刀を両手で構えて睨み合った。
すると、いきなり、お兄ちゃんが竹刀を片手で持って、ポーズを変えた。
それは、剣道の構えではなく、フェンシングの構えだった。
そして、お兄ちゃんは、いきなり踏み込むと、本郷くんの喉元を一突きした。
「グッ!」
本郷くんが、呻いた。
そして、崩れ落ちた。
お兄ちゃん!
つ、強い!
そして、お兄ちゃんは、その蹲る本郷くんの前に立ちはだかって、言った。
「本郷航介! 私の勝ちだな! 美優は渡さない!」
本郷くんは、座り込んだまま黙っていたが、やがて、すすり泣き始めた。
そして、お兄ちゃんに向かって、言った。
「……クリストファーさん、あなたは、ずるいです……」
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