「 お兄ちゃんはクリストファーⅢ世 」

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美優(みゆ)、今日から、あなたの新しいお父さんと、お兄さんよ」 そう、お母さんが紹介した二人は、思いっきり我が家の古い茶の間に似合わない、外国人たちだった。 「こちらが、お父さんになる『リチャードⅠ世』さまよ」 お母さんは、そう言って、整えられた金髪に、彫の深い美しい顔をした中年の外国人男性を示した。 リチャードⅠ世さま?! な、なんだ、それ?! あたしは、パニくった。 だ、大体、何で、いきなり外人なんだ?! しかし、そのリチャードⅠ世さまは、座りにくそうに座っていた座布団から立ち上がると、微笑ながら、たどたどしい日本語で言った。 「ミユ、アイタカッタデス」 そう言って、あたしを抱き締めた。 「きゃーー!」 あたしは、思わず、叫んだ。
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