<  一年後のお兄ちゃん >

2/4
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「美優……久しぶりだな。元気だったか?」 お兄ちゃんは、シルベーヌから、降りながら言った。 「お、お兄ちゃん……!」 あたしは、号泣してしまった。 「どうして……? いつ、日本へ戻って来たんですか?」 どうにか訊くあたしに、お兄ちゃんは、笑って答えた。 「日本には、さっき着いたところだ。何よりも、まずは美優に会いたくて……」 そして、お兄ちゃんは、真剣な顔になった。 「美優……。覚えているかい? 一年前の僕の言葉を」 そうだ。 よく覚えてる……。 お兄ちゃんを好きかどうか……。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!