「 お兄ちゃんはクリストファーⅢ世 」

8/9
前へ
/37ページ
次へ
だって、夢みたいだ。 こんな、イケメンのお兄さんが出来るなんて! それも、いつか、お星さまに願った以上に素敵な、本物の王子様なのだ。 あたしは、緊張して、震える声で言った。 「こ、これから、よろしくお願い致します……ク、クリストファーⅢ世さま」 あたしがそう言うと、クリストファーⅢ世さまが、笑った。 「僕のことは、『お兄ちゃん』と呼んで欲しいな。日本じゃあ、兄のことを呼ぶ一番ポピュラーな呼び方なんだろう?」 め、め、めっそうもない! この本物の王子様を、気安く『お兄ちゃん』と呼ぶのかっ? 「嫌かい?」 また、クリストファーⅢ世さまは、悲しそうな表情になった。 「い、いえっ! お兄ちゃんと、呼ばせていただきますっ!!!」 あたしは、思いっきり、大声で答えた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加