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「ああ、そうね、知りたいわよね。いいよ、教えてあげる。簡単に言うと自分の身体能力を過信して救助に入ってうっかり死んじゃったって感じ」
あっけらかんと話す姉さんにとって、もう心の整理のついた過去のことなのだろう。
「その時助けた子猫が無事だったから無駄死にじゃなかったけど、結果的に家族を苦しめたのは間違いなく私ね」
ああ、そうか……
母さんは姉さんが何かの命と引き換えに亡くなったことに気づいていたんだ。
だから同じく姉さんに救われたナツメに冷たかったのかもしれない。
「……姉さんらしいね」
姉さんはどこか誇らしげに笑った。
「そりゃそうよ。なんせ獣医さんになりたかったんだから」
姉さんのように得意なことも夢もない自分がひどく情けなくなってきた。
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