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運が悪い
職員室に資料を持って入る。俺は目を光らせ柊先生がいないことを確認してホッとする。
ーー良かった。今日は土曜日だし、そもそも出勤してないかもしれない。
そう思った俺は少し心にゆとりができた。大方報告が終わりかけた時、俺の横を通る人と少しぶつかって顔を見た。
その人は柊先生だった。俺は目があった瞬間心臓が一気に波打つ。先生はぶつかった俺に「ごめんね。大丈夫?」と話しかけた。
俺は素早く「大丈夫です」と淡白に答えた。
先生は一瞬俺の顔を見て不思議そうな顔をした後、首を傾げながら席についた。それからは簡潔に担任への報告を終わらせ急いで家に帰った。
ーー怖かった。何で次の日に会わないといけないんだ。運が悪い。
俺は、今日も占いの店を出すことにした。昨日危ない思いをし、連日はないだろうと思っていた。
店に行く前に今日は本当に運が悪いと感じたので、自分の運勢を占いたくなった。
運命の輪の正位置がでた。新しい出会い・人生の分岐点・運命……。
何かあるかもしれないな……とただ軽く思った。
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