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プロローグ
みなさんは「ヤングケアラー」という言葉をご存知だろうか?
厚生労働省のホームページには、
「一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされている」
と記載されている。
がん・難病・精神疾患などの慢性的な病気に罹っている家族の代わりに、
料理・洗濯・掃除・買い物を担当したり、
幼い兄弟たちの面倒を見たり、
身の回りの世話や心のケアをしたりするのだ。
その弊害として、友達と遊びに行けなかったり学校も休みがちになって、人間関係が希薄になってしまいがちになる。
子どもとして守られるべき権利が侵害されているのだ。
端的に言えばこれは私だ。
私はとっくに大人だが、物心がついた時から母の顔色を伺い、世話をし、暴れる母を必死で制して過ごした。
母とは現在絶縁中だが、これが最善の解決策だったかはハッキリと答えられない。
でも、私と母の関係性を綴ることで、誰かが「ヤングケアラー」という存在に気づいてくれたら嬉しい。
人によっては大したことがないかもしれないが、私は確かに苦しみ悩み、そして今になっても苦しみが続いている。
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