10.あなたが幸せなら私も幸せ

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「金曜日は遅くなるかもしれないが、どこか一緒に食いに行こう。何が食べたい? なんでもいいはなしだぞ」 「でも、今は頭も回らなくて……」 「だな。ほわほわしている。優羽、寝起きはそんなふうなんだな。寝てていいぞ。週末までに考えてメールくれ。俺も心当たりをメールする」  優羽一人に任せてしまわないところが城ヶ崎のいいところだ。  ぽん、と優羽の頭を撫でて城ヶ崎はバスルームに向かった。  優羽はその後ろ姿をぼうっと見ているうち、だんだん目が覚めてくる。  二度寝したら起きられる自信もないのでこのまま起きてしまうことにした。  洗面所に続く扉を開けるとバスルームで城ヶ崎がシャワーを浴びている音がする。  キャビネットから優羽はバスタオルを取り出し、洗面台の横に置いた。  そうして中の城ヶ崎に声を掛ける。 「昂希くん、タオルここに置いておくから使ってね」 「ん、サンキュ。なんだ、起きたのか?」 「二度寝したら起きられなくなりそうだったから」 「まあ、それもそうか」  ガラッとバスルームの扉が開いてお湯を滴らせた城ヶ崎が姿を見せる。当然フルオープンだ。 「やぁぁんっ、もう! びっくりするでしょう!」 「そんなに驚くことか?」  手にしていたタオルを優羽は城ヶ崎に押し付けた。
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