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お互い裸のままで眠ってしまったので、肩に唇で触れて城ヶ崎は尋ねてくる。
「大丈夫」
「寒いと言えよ。温めてやるから」
くすくすと笑う城ヶ崎の甘さは恋人への甘さなのだろうか。
「そんなこと言ってたらベッドから起きれなくなりそう」
「それもいいな」
ぎゅっと抱きしめられると下半身に当たるものがある。
男性の朝にそういう兆しがあることは知ってはいるけれど、こんなふうに露骨に触れるのは初めてで、優羽は戸惑ってしまった。
「あ……の、昂希くん……」
「んー? なんだ?」
触れ合っているのは下半身だけではなく、ぎゅっと抱きしめられているから、全身が密着してしまっているのだ。
「その、当たってて……」
「生理現象だけど、俺のお姫さまが朝から可愛すぎて単なる生理現象ではなくなりかけてるな」
お姫さまという単語に昨日の話を思い出す。
「恥ずかしい。すぐそうやってからかうんだから」
「からかっているわけじゃないぞ。本気だよ。聞いたんだろう? 優羽はみんなの憧れだったからな」
「それは昂希くんでしょう? いつもみんなに囲まれていて、とても華やかだったもの」
「じゃあ、華やかな俺と憧れの優羽はお似合いだな」
「へらず口ね」
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