11.いちばん幸せ

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 優羽は黙らせたくて、城ヶ崎の口元をきゅっと指先で摘む。その手を掴まれてゆるりと舐められた。  今の今までふざけていたくせに急にとろりと濃厚な雰囲気になる。 「幸せになってほしい、だったか? 今が生きてていちばん幸せなんだが」  本当にその口を閉じてほしい!  ベッドにいたいとぐずる城ヶ崎の頭を撫でて優羽は起き上がった。 「そうだわ、なにか羽織るものくれる?」 「そのままでもいいが」 「いいわけないでしょ? 風邪ひいちゃうよ」  布団の中から城ヶ崎の腕が伸びて、ぎゅっと優羽の腰に絡みつく。 「優羽」 「ん? なぁに?」  さらりとした城ヶ崎の髪を優羽は撫でた。 「好きだ。たまらない。なんでそんなに可愛いんだろ。天使かと思う」  聞いている優羽の方が恥ずかしくなって、顔を赤らめてしまう。 「もう、なに言ってるんだか」 「どうしても起きる?」  布団の中から上目遣いしてくる恋人は魅力的すぎるし、甘すぎる。 「起きましょう。お腹空かない?」 「確かに。なぁ? これからもこうやって週末は来るよな?」 「来ていい?」 「来いよ」  ベッドからやっと起き上がった城ヶ崎はクローゼットまでいって部屋着のコットンシャツを優羽に向かって投げる。優羽は受け止めた。 「それ、着てれば」
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