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優羽からしたら、火がつきやすいどころか炎上案件だ。
本当にそういうことではない。
ただ起きたら隣に裸の男がいたなんていうことはこの可愛らしい女子に教えたくはない。
しかも完全に事後だったことも!
目をキラキラさせながら首を傾げている藤井に「お仕事しようね」と優羽は笑顔を向けた。
実際仕事に入ってしまえばやることも多く、没頭しているうちに、週末のことなんて、忘れてしまっていた。
優羽が勤めているのは姫宮商事という総合商社だ。駅からワンブロックのところに自社ビルを構えている準大手の商社である。
優羽はその中の総務部で勤務をしていた。
総務の仕事内容は多岐にわたり「他部署が担当できない仕事」はすべて総務の範囲となる。
備品や社内施設の管理・整備などが基本的な仕事内容ではあるのだが、会社運営を円滑にするための業務を主に担っている。
姫宮商事では消耗品の発注は部署ごとになるが、その業者を選定するのは総務の仕事だ。
また、会議室や役員室などの管理や社内行事も行う言わば縁の下の力持ちだ。
直接的に利益を生み出す部署ではないけれど、自分の性格にはこの部署は合っているのではないかと優羽は思っていた。
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