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「よし、ご馳走してやろう。君も一緒においで」
「えー? いいんですかぁ?」
「もちろん。このビルの中にはレストランもあったな。君、寿司は食べれる?」
「きゃーっ、大好きですー!」
確かにビルの中にはいくつか飲食店がある。その中でも気軽にランチで入れる店と、いくらランチとはいえ入れない店もある。
その寿司屋は高級過ぎて入れない店舗だ。ランチでも驚く程のお値段がついている。
そこをご馳走する、と言うのだから、それは藤井のテンションが爆上がりする気持ちも分からなくはなかった。
「昂希くん? いいの?」
「たまにのことだからな。それに本当は二人でいくつもりだったんだろ? お邪魔させてもらうのは俺の方だからな」
こういうところは城ヶ崎は本当にそつがない。
普段優羽はあまり会社でプライベートを見せることはない。
藤井はわくわくした顔を隠しもしていなかった。素直なところは可愛らしい後輩だ。
お店では、カウンターでなくテーブル席への案内を城ヶ崎が頼むと三人でいいんですか?と思うような個室にご案内される。
優羽には分かる。
城ヶ崎は終始ご機嫌だ。
「驚いちゃったわ。昂希くん、何も言わないから」
会社のロビーに突然いたことだ。
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