12.オフィスラブとは?

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 城ヶ崎の声に含まれる甘さに優羽はどきどきしてしまう。 「会っても、いいけど……」 『今すぐ行きたい。明日の早朝の打ち合わせがなければな』 「そっか」  会いたいと言われて、優羽にしては一生懸命お誘いに応えたつもりだったのだが、仕事なのでは仕方ない。 『なんか奇跡みたいだ』 「奇跡?」 『俺の気持ちに優羽が応えてくれることが』 「私もなんか、昂希くんのことは安心できる。そうやっていつも気持ちを伝えてくれたり、昔から知っているっていうのもあるし、護ってくれると言ったら実行しそうだし」 『するよ。何でも言えよ?』 「今は何もないよ」  優羽の彼氏は少し心配性のようだ。くすくすと笑って答えた。 『具体的には守秘義務もあるから言えないが、優羽の会社の新規の案件に関わることになったんだ。先方との契約締結まではちょくちょく顔を出すことになると思う。タイミングが合えばまた食事に行ったりしよう』 「うん! あ、でも今度は事前に言ってね? びっくりしちゃうから」  その時ふっ……と電話越しに笑い声が聞こえた。
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