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『驚かせたかったからな。ただ事前に必ずしも伝えられるとは限らないが、今週ももう一回くらい行くと思う。昼過ぎだから、ランチを一緒したりは出来ないが。ああ、時間を遅めにしてもらって一緒に帰れるようにしてもいいな』
「そういうのしたことないからどきどきする」
『初めての経験か?』
「うん」
『俺もオフィスラブっぽいものは確かに初めてだな。なんかちょっと楽しみになってきた』
本当にわくわくしているようで、優羽は笑ってしまった。
優羽が勤めている姫宮商事は、駅からワンブロックのところに姫宮商事ビルとして自社ビルを構えている。
その二階には専用のエレベーターを有した来客用のスペースがある。
通常のミーティングスペースとは異なるもので、会社に来る海外の方や、お客様が他社の役員の場合に使用されたりする。
一つ一つの部屋がしっかり防音されているため役員同士の会話も他に漏れることがない。
オーバル型の大きな机の周りには、背もたれ付の座り心地のいい椅子が置かれていた。
受付から案内されて専用エレベーターを使用して二階に上がるとコンシェルジュと呼ばれている女性が案内につく。
商社ゆえに海外からの来客もあるため三か国語以上話せる人材が配置されているのだ。
優羽たちとの関わりはその応接室の備品管理だ。
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