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海外との契約で主になるのはライセンス契約で、そのライセンスを保有している企業がいちばん多いのはニューヨーク、ついでサンフランシスコだろう。州の弁護士資格は一年ほどで取得できる。
特に最近ではITで何かしようとするとライセンス契約が必須だ。一般的にライセンスを販売している場合もあるが、企業が使用するライセンスは一般的には発売していなくて、使用するために契約を交わすことが必要なケースも多い。
その場合、もちろん英語ができる日本の弁護士でも対応は可能だし、経験さえあればできることではあるが、現地の弁護士資格があれば大手企業とも取引が可能だ。
現地の弁護士資格があるということは商取引においてかなり有利なのだ。
頭脳と体力にものを言わせて、城ヶ崎はアメリカでもきっちり資格を取ってきた。
真面目でもあるが、城ヶ崎自身、恵まれた環境にあることは重々承知している。
その立場に感謝して、返すことができることはしっかり返したい律儀な性格でもある。
そして城ヶ崎は一つのことに集中するとなると徹底的にこだわりぬくところがある。別の言い方をすれば一定執着心が強いことは自分でも分かっていた。
一方考え込み出した城ヶ崎を見て、片桐は渡米のことを考えているんだろうと思う。
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