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城ヶ崎に連れられて向かったのは、駅にほど近い有名ホテルの最上階にあるレストランだった。
「城ヶ崎です」
城ヶ崎がクロークで声をかけると「お待ちしておりました」と頭を下げられる。
レストランはシックなインテリアで飾られた高級感のある雰囲気だ。
「どうぞ」
窓際の席を案内され椅子を下げられ、戸惑いつつ優羽は座った。
ホールの中が薄暗いので、外の夜景が綺麗に見える。
席に座る前に城ヶ崎がコートを脱いだ。そのスーツのカラー部分のホールには金色のバッジが一瞬見えたのだ。
──べ、弁護士なの!?
頭の良かった城ヶ崎のことだ。驚きはしないけれど、そんな専門家が優羽のことを訴えると言っている。
優羽はそのバッジに目が釘付けになってしまった。
それは彼に勝てるなんて思わないけれど……思わないけれど、抵抗しても絶対無理だ。こんな立場ならなおさら、勝てる訳がない!
「ああ、付けっぱなしだったか」
席についた城ヶ崎はそのバッジを外して、ケースに入れ、バッグにしまっている。
優羽はそんな動作をついじっと見つめてしまった。
城ヶ崎も優羽の視線に気づいたようだ。
「そう。弁護士」
その笑顔、絶対正義の味方じゃない。
悪徳弁護士じゃないのー!?
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