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譴責とは、始末書を提出するいわば厳重注意による懲戒処分だ。最も軽い懲戒処分ではあるが、処分は処分だ。人事の履歴には残るし異動と言われれば逆らうこともできない。
「異動、なんですよね」
「本社営業部には置いておけません」
「人事は発令済ですね?」
「関連子会社への出向です」
勉強のための一時的な出向ではないことなど、本人が一番よく分かっている。
「承知しました」
おとなしく人事に従ったかと部長と城ヶ崎が安心した時である。ふらりと立ち上がった柴崎がまっすぐに城ヶ崎をにらみつけた。
「忘れないからな。会社のことは仕方ない。それが会社の判断なら従う。けど、優羽とお前のことは許さない。不幸になればいい」
「柴崎さん!」
部長にあいさつもせず席を立って、城ヶ崎に向かって暴言を吐いて部屋を出て行った柴崎を部長は真っ青な顔で引き留めようとしたが、それを押し留めた。
「構いません。あれくらいは構わない」
「城ヶ崎先生、申し訳ありません」
「大丈夫です」
所詮は負け犬の遠吠えだと心の中で吐き捨て、城ヶ崎は部長に業務用の笑みを返した。
先ほど聞いた異動は引越しを伴う遠方への出向だ。これで二度と優羽にちょっかいを出すことはできないだろう。
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