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とても良い雰囲気の良いレストランだった。
「すごく、素敵なレストランね」
「ああ、この前顧問先の人が連れてきてくれて。料理も美味しかったぞ」
改めて城ヶ崎を見る。学生のときから確かに綺麗な顔立ちをしていたけれど、今はさらに凛々しさが増し、大人として重責のある職についている人の矜恃のようなものが見える。
それが色気とも組み合わさっていて控えめに言っても本当に魅力のある人だ。
「いつもこんなところで食べているの?」
優羽がそう聞くと、城ヶ崎は一瞬きょとんとして笑った。
「……なわけないだろう。たまたま連れてきてもらって、俺も二回目だよ。いい雰囲気だったから、吉野を連れてきたら喜ぶかと思ったんだ」
城ヶ崎が何を考えているか分からない。
なにせ暴行で訴えるなどと物騒なことを言われてここまで連れてこられたのだ。なのに喜ぶと思ったとはどういう意味なのだろうか。
「あの……」
「ん?」
「けが、とかしちゃった?」
城ヶ崎がふっと笑う。
「けがをしなくても暴行に当たることはある。例えば、言い合いになって相手の胸倉をつかんだらそれだけでも暴行に該当したりするからな。けがをさせたら刑法204条の傷害罪に当たる。刑事事件だよ。姫宮商事って一流企業だよね。もし、被告になんかなったらどうなるの?」
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