3.記憶の中のあなたに

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 そう思って優羽はこくこくっと必死に頷いた。 「じゃあ、優羽のこんな可愛い顔、見たのは俺だけってこと?」  可愛いなんてどこが?ひたすらに恥ずかしいだけなのに。  そんな優羽の気持ちにはお構いなしで、瞳をキラリと輝かせて、ますます城ヶ崎は優羽を強く抱く。 「やっば……ハマりそう……」  逃がして……はくれないのね。  優羽は泣きそうだった。半泣きで助けて、という目でつい見てしまう。 「優羽、そんな目で見るとか、俺のこと煽ってる?」 「そんな……って」  助けてほしいと潤んだ目で見てしまったことが煽る、ということになるんだろうか。  城ヶ崎を見た優羽はドキンとする。  優羽のことなんて、バカにしているんじゃないだろうかと思っていた城ヶ崎の顔が、ひどく優しかったからだ。  どうして、そんなに優しい顔で見るの?  ドキドキと音を立てる自分の胸の音がどんどん大きくなってゆくような気がした。 「城ヶ崎くん……」  城ヶ崎の綺麗で端正な顔が近づく。強引に奪い尽くすような、優羽のすべてを欲しがるようなキスだった。  呼吸すらも奪われそうなキスの中、優羽は自分の吐息がだんだん乱れていくのを感じる。
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