4.優羽は俺の彼女

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 忙しいのかもしれないが、それだけ言うと城ヶ崎はさっさと電話を切ってしまった。 (全くもう、俺様なんだから……)  テキパキと物事を進めていくのは城ヶ崎にリーダーシップがあるからだ。文句を言いながらもみんなそんなところを頼りにしていた。  土曜日、どんな格好をして行けばいいのだろう?  つい、そんなことを考えてしまう優羽は(違う! 違う! 会社に言われたら困るから!)と心の中で必死で打ち消す。  散々迷って、優羽はオフホワイトのニットとグレンチェックのスカートを選択したのだった。それに黒の編み上げブーツを合わせた。  コートを羽織って玄関の鏡で確認する。久々の友人と会う格好としては悪くないのではないだろうか。  駅前まで行くとカフェの前に城ヶ崎はすでにいて、カフェの前に立っているのが離れた場所からでも分かった。  チャコールグレーのチェスターコートと、黒のタートルネック、デニムのパンツと至ってシンプルな普通の服装なのだけれど、そのスタイルと端正な顔立ちが際立っていて、伏し目がちでスマートフォンを見ている姿すら、注目を浴びてしまっている。 「城ヶ崎くん」  城ヶ崎が顔を上げて優羽を見つける。その嬉しそうな顔は心からのもののように思えた。 「優羽」  とても甘く聞こえる声に優羽はどきっとしてしまう。
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