4.優羽は俺の彼女

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 城ヶ崎が優羽の顔をじっと見る。あまりにもジロジロ見られるから優羽はなんだか心地悪くなってしまった。 「城ヶ崎くん? どうしたの?」 「名前」  どうしてもこだわりたいらしい。 「とりあえず、キス一回な」 「え? 本当に!?」 「当然だろう。それが最初の約束だからな」  本当にこの人はいじわるする時ばっかりどうしてこんなに生き生きしているんだろう。 「昂希くんて、結構いじわるなのね」  そう言って優羽は少し膨れて見せると、城ヶ崎はにっと楽しそうに笑う。 「今頃知ったのかよ」  ああ言えばこう言う。困った人だ。  ラーメンと言われてふと優羽は思いついた。今いるのは港町でここからは中華街が近い。  それにこの前も城ヶ崎が連れていってくれたのは高級レストランで、こんなことを優羽が言ったら困るのではないだろうか。 「昂希くん、中華街でお昼を食べましょう! 食べ歩きしたいわ」  困るかと思いきや、城ヶ崎は楽しそうに笑っていた。 「食べ歩き、な。了解。楽しそうだ」  あれ?思っていた反応と違う。そんなところには行けるかよとでも言うのかと思ったのに。 「なんだ、その顔は?」 「食べ歩きなんてって言うかと思ったから意外で」 「はっ! 残念だったな」
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