5.優羽中毒by城ヶ崎

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 高校を卒業するころには弁護士になりたいと漠然とした夢を描いていたが、大学に入学して、叔父の事務所を手伝うようになってからは、いち早く司法試験に合格し弁護士になりたいと思うようになっていた。  身近にいい刺激になる人にはこと欠かなかったし、適度に遊びながら、勉強はしっかりしていた。ありがたいことにその環境も整っていたと思う。  卒業してすぐに叔父の弁護士法人に入所して、そこで案件を担当しながら実績を積んでいる。  弁護士が就職、開業するときには弁護士事務所か弁護士法人かを選ぶことができる。  弁護士事務所は、個人の弁護士が個人事業として開業している事務所であり、弁護士法人は、弁護士業務を行うことを目的とした法人ということが大きな違いだ。  実は規模や業務の範囲に関して違いはない。違いとしては弁護士法人になるといくつでも支店を出すことができるようになるため、支店を持っている企業などにも対応することができ、当然経営規模としては大きいものになるということくらいだ。  弁護士法人では個々の弁護士が何らかの事情で事件を遂行できなくなっても、他の弁護士が引き継いで事件処理を進めていく。  事件を引き継いで処理していくことが可能なので、企業からの信頼も得やすい。
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