6.借りは返してもらう

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 最初は優羽の言うことにどうしても納得がいかないようだったが、途中からはしゅんとして頷いていた。 「以前に提出しただろうって怒られたことがあって……。言いづらかったんです」 「そっか。そういう人もいるかもしれないわね。でも気にしなくていいし、それより今日みたいに急遽対応しなきゃいけなくなる方が大変でしょ?」  優しく優羽が言うと後輩はこくりと頷く。 「愚痴ならいつでも聞くから、何かあったら相談してくれたら対応するからね」 「吉野さん、ありがとうございます。すみませんでした」  優羽のチームは優羽が穏やかな分、雰囲気が良くて離職率も非常に低い。そんなところも優羽は会社に評価されていた。  優羽は今の仕事が好きだ。  やっと慣れてきたところで、後輩も可愛い。  辞めたくない。  対応を終えて帰るためにエレベーターに乗り、スマートフォンを確認したところで、優羽は思わず声が漏れてしまった。 「うそ⁉︎」  城ヶ崎からメールが入っていたのだ。 『一緒に食事に行こう。何時に終わる?』  定時の少し前に入っていたメッセージはもちろん既読にはなっていなくて、城ヶ崎もそれを確認しているようで、次のメッセージが入っている。 『何時に終わる?』 『終わったら連絡する』
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