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業務中はこんな感じなんだろうなと優羽は話している城ヶ崎の口元をぼうっと見てしまった。
動く口元までセクシーな人だ。
「そうすると話を整理して、筋道の通った考え方で向き合い、矛盾の生じない結論を導く必要がある。事実に基づいた合理的な結論を出して……」
城ヶ崎は軽くため息をついた。
「優羽? 聞いているか?」
「うん。聞いていたよ? すごく熱意を持ってお仕事しているんだなって感心してた」
今度は軽く笑って城ヶ崎は優羽の頭を撫でた。
「ま、着地点はそこでも構わない。優羽も真面目に仕事をしているなって感じたし、この前会った人にも今日会った人にもすごく信頼されているのが分かった」
「本当? そうなら嬉しいな」
後輩から信頼されていたり、頼りにされているように見えているとしたら嬉しい。
「だからご馳走してやるからたらふく食いな?」
「そんなにたくさんは食べれないよ」
それでも花のように華やかに盛り付けされているバーニャカウダや一口ステーキにフォアグラののったお料理は見た目も楽しく、味も美味しく、城ヶ崎は話も上手くて楽しくて、気づいたら遅い時間になってしまっていた。
「優羽、終電大丈夫か?」
城ヶ崎が腕時計で時間を確認して優羽にそう声を掛けた。
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