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「違うの。そうじゃなくて、手汗が……」
城ヶ崎は優羽の手を自分の方に寄せてその手をじっと見る。
そして、優羽の手のひらをそのすらりとした綺麗な指先ですうっと撫でたのだ。
それは思わぬ感覚を優羽にもたらして優羽は背中がぞくっとした。
「そうかな? 少ししっとりはしているが、手汗ってほどではないだろう」
そして優羽を見ながら整った形の唇をその手に寄せて、軽く口づけたのだ。
「小さくて可愛いだけだ。それに手汗かいてるからなんだって?」
「だって、恥ずかしい」
「恥ずかしがっている優羽ってたまらなく可愛いな」
城ヶ崎はとても頭がいいはずなのに時々言葉が通じないような気がするのはどうしてなんだろうか?
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