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7.気づいた気持ちに
きっとすごい家に住んでいるんだろうなとは思っていた。
タクシーで到着したのは駅にほど近い高層マンションだ。
入口ではコンシェルジュがお出迎えしてくれて「お帰りなさいませ」とか言ってくれる。
床が石張りのようで、城ヶ崎が歩くとコツコツと音を立てていた。
「ただいま戻りました」
そう言ってコンシェルジュに笑顔を返しつつも、城ヶ崎は優羽の手を離す気配はない。
手を繋いだままエレベーターに乗る様子はとても親しげに見えていたのかもしれなかった。
エレベーターを降り、部屋の前まで来た城ヶ崎はICキーでロックをはずしてドアを開ける。
「どうぞ」
そう言われて優羽は中に入った。
広い玄関は入るとすぐ壁にセンスのいいリトグラフが飾ってあるのが見える。
シューズラックから城ヶ崎がスリッパを出してくれる。来客にも慣れているのかもしれなかった。
案内されて入ったリビングは優羽の部屋なら丸ごと入ってしまうのではないかという広さだ。
「シングル仕様だから、狭いけどな」
(これで!?)
「リビングの他は隣に寝室があって倉庫代わりの小部屋があるだけなんだ。1LDKSだからこのクラスのマンションにしては小さい方だな」
「そうなの? 素敵なお部屋だと思うけど」
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