7.気づいた気持ちに

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 優羽は軽く息を整えて城ヶ崎の肩にそっと手を添えた。城ヶ崎はその様子を楽しそうに見ている。 「本当にするの?」 「本当だよ。どうぞ」  視線が絡んで強く見つめられると逃げることはできなかった。  とても綺麗で端正なその顔にそうっと顔を近づける。柔らかく唇を重ねる。  (一回……、二回)  優羽は心の中で真面目に回数を数えて八回になったところで、顔を離した。 「八回、したわ」  ちょっとドヤ顔になってしまったかもしれない。  ──だって、頑張ったもの。 「優羽、今のはカウント一回だよな? まさか、それで全部借りを返したなんて思っていないよな?」 「え?」  目の前の美形は呆れたような顔になって優羽を見ていた。 「優羽、キスってのはこういうのだろう?」  そう言って城ヶ崎は優羽の首の後ろに手を添えて自分の方に引き寄せたのだ。  優羽が顔が近いと思った瞬間には唇が重ねられていた。  軽く何度も触れ合って唇で甘く食まれる。与えるような奪うような触れ方で、この人のキスはどうしてこんなに官能的なんだろう。  いつの間にか絡められている舌先さえ、優羽を溶かそうとしているかのようだ。  気づいたらとろかされていて、息を継ぐだけでいっぱいいっぱいにさせられている。
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