7.気づいた気持ちに

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 城ヶ崎は一旦寝室に行ったものの、優羽が心配になり、リビングに戻ってきたのかもしれなかった。 (本当は優しい人なのに……)  あんな始まりでなければよかったのに。  起きた優羽は自分のバッグの中から手帳を出しメモに『泊めてくれて、ありがとう』と書いて、そっと部屋を出た。  ◇◇◇  城ヶ崎は珍しく後悔していた。  反省はしても後悔はしない主義だった。  けれど優羽との件に関しては自分が間違っていた自覚はある。  おそらく優羽は城ヶ崎のことなど、なんとも思ってはいなかった。  なのに、無理やりあんなことをした上に、半ば脅すようにして、関係を続けようとした。 『暴行だって訴えても構わないし、会社に言っても構わない』そう言ったときの優羽はまっすぐで、ひどく綺麗だった。  優羽がキスをしてくれたから。  それが城ヶ崎から出した条件だったとしても、優羽からのキスは本当に可愛くてありえないほど胸が高鳴ったのだ。  なのに、怒らせてしまった。  優羽が怒ったところなど高校の時も見たことがない。けれど絶対あれは怒っていたはずだ。  それでも冷静なのが彼女らしいとまた魅力を感じてしまったが、それどころではない。  これ以上、強引にすることは望ましくないと城ヶ崎は判断したのだ。
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