7.気づいた気持ちに

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 だから、寝室からブランケットを持ってきて優羽に渡した。  一旦は寝室に戻ったものの眠ることなどできなくて、城ヶ崎はリビングに戻ったのだ。  優羽がリビングのソファで手すりを枕にして寝息を立てているのが見える。  その横に城ヶ崎は座って、その寝顔を見つめた。  優羽は安らか、と言うよりもうとうとしているだけのようだった。  触れて目が覚めて、城ヶ崎に気づいたら今度こそ出ていってしまいそうな気がしたら、触れることもできなかった。触れかけて伸ばした手をぐっと拳にして堪える。  好きだった。とても愛おしい。このまま手に入れてしまいたい。可能なら閉じ込めてどこにも出したくない。なのにきっともう触れることもできない。  朝方、優羽がそっと出ていったのには気づいていた。それでも目を開けることができなくて、ただ、その気配だけを感じていた。  かちゃん、と入口のドアが閉まり、城ヶ崎は目を開けた。  城ヶ崎の隣に綺麗に畳まれたブランケット。その上にメモが置いてある。綺麗な優羽の字で、『泊めてくれて、ありがとう』と書いてあった。  城ヶ崎はそのメモを手にした。  優羽らしい。  責めてもいいのに責めるようなことは何も書かずにお礼の言葉だけだ。  ブランケットにまだ優羽の温もりが残っているのではないかと城ヶ崎は手にしてみた。  すると、優羽の香りがふわっと漂った。
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