8.反省はしている

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「すぐに来るなんて思わなかった。城ケ崎くんは忙しいのかと思っていたから」 「暇ではないが、優羽と話す方が優先だから」  車の中は静かでなんとなくしん、としてしまう。 「悪かった」  しん、とした車の中で城ヶ崎の低い声が響いた。  優羽はものすごくびっくりしてしまった。城ヶ崎が謝るなんて思わなかったからだ。 「どうしたの?」  思わず聞いてしまうと、城ヶ崎に微妙な顔をされる。 「そんなに驚くか?」 「少しだけびっくりしたけど」 「悪いことをしたなって思ったら俺だって謝る」 「話ってそれ?」  城ヶ崎は髪をかきあげた。 「優羽の話は何なんだ?」  そう聞かれると、優羽も困ってしまう。 「あ……うん」  一緒に過ごしたことが楽しかったといきなり言うよりも、優羽は聞きたいことがあった。 「あのね、高校の時の演し物のことなんだけど、城ヶ崎くん王子様役に立候補したって本当?」 「な……」  そんなことをいきなり言われるとは思っていなかったのだろう。  城ヶ崎は言葉を失っていた。  黙っちゃったわ。  そう思って運転席の方を見た優羽も言葉を失くした。  あの城ヶ崎が顔を赤くして困っていたからだ。 「誰かから聞いたのか? 山口?」 「あ、うん。早紀ちゃん」  はーっと運転席から深いため息が聞こえてくる。
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