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少しだけ拗ねたような声は大人の男性である今の城ヶ崎には妙に不似合いでそれがアンバランスで優羽には可愛く思えてつい笑ってしまった。
「笑うなよ。いや……可愛いけど」
「笑うなって、前にも言っていたけど、どういうことなの? 私の笑う顔って見られないってこと?」
「そんなわけないだろう。優羽の笑顔は……可愛すぎる。だから俺以外の誰にも見せたくない」
そんなことは今までお付き合いした人にも言われたことはない。
(あれ? もしかして思ったよりも昂希くんて重……?)
その疑問は置いておいて、優羽は城ヶ崎に向かって首を傾げた。
「本当に反省してる?」
「してる。その上で言うよ。優羽、好きだ。ずっと好きだったんだ。こんな感情を持つことができたのは優羽にだけなんだ」
きっとこれは城ヶ崎の本当の気持ちなんだろう。それはまっすぐに優羽にも伝わってきた。
「私も一緒にいて楽しかったよ。また、一緒に出掛けてくれる?」
城ヶ崎はふっ……と笑った。とても綺麗な笑顔だ。
「もちろんいつでも」
ためらうように城ヶ崎は優羽の手を握る。優羽はきゅっと握り返した。
「俺は最初を間違えた。優羽、俺の彼女になってくれ。そう言えばよかった」
(すっごく俺様!)
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