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(あれ?)会社のみんなは帰ったように思うが……糸原と神尾の姿が見当たらない。まだ、店のなかかな? と思い、海遊が店のドアをからからと開くと、――とんでもない光景にかちあった。
「おれは。――相手が糸原さんであっても、容赦しません。――鷺沼さんを傷つけるやつは」
レジの前で大学生らしき女性の店員さんがおろおろとしている。居酒屋の出入口すぐのところで、神尾が、糸原の胸倉を掴んでいるところだった。不覚にも。イケメン同士の取っ組み合いになりかけのシーンは、絵になる……エモい……と海遊は思ったのだった。
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