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2020年5月
5月1日
自分の存在を人々に意識させることで力を得ている邦彦は、次第に人々から忘れ去られてしまった事で弱体化をして、思うような活動が出来なっていた。危機を感じた邦彦は、芹沢聡一を操り、自分を解雇した『イカロス』に復讐することを画策する。
神奈川県警刑事課に栄転となった、巌流島の手で逮捕された聡一は留置所の中で何事かを呟いていた。
彼の夢の中に現れた邦彦は彼を覚醒させ、『イカロス』の本社のある桜木町で殺戮を行うよう仕向ける。
聡一は桜木町を恐怖のどん底に陥れた。聡一は時限爆弾を使って『イカロス』本社を襲撃した。また、電話ボックスや公衆トイレを爆破した。
人々が犠牲になるにつれ、住民達は徐々に邦彦の恐怖を思い出し、桜木警察署刑事課の深井悦子を含めた若者達にもその存在が知れ渡り始める。とうとう力を取り戻した邦彦だったが、邦彦の制御を超えて残忍な殺戮を止めようとしない聡一は、易々と邦彦の手から離れ、まるで獲物を横取りしていくかのように聡一がさらに殺していく。邦彦は何とか自分の存在だけを知らしめ、聡一を始末しようとする。
邦彦を阻止したい悦子は、5日の午前11時、邦彦を尾行していた。
野毛ちかみちに邦彦たちはやって来た。国道16号によって隔てられた桜木町駅と野毛町方面を直結する地下道（歩行者専用の地下横断歩道）として、1999年に開通した。JR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーラインとぴおシティ、野毛の街を直結する。名称は「近道」と「地下道」をかけている。
横浜高速鉄道みなとみらい線の開業により、東横線桜木町駅が廃止される代償として整備された。同時に地域振興策として野毛大道芸が開始、横浜にぎわい座が建設されている。
悦子はニューナンブ拳銃で邦彦を止めようとする。しかし、銃弾を喰らっても彼はヘラヘラしてる。
聡一はレンタカーを暴走させ、桜木町駅前で郡上が犠牲になってしまう。
「あんな年寄殺すことなかったろうに！」
邦彦はランドマークタワーの前で踊っている聡一に飛び蹴りを放った。
「やかましいんだよ！！」
聡一はナイフで邦彦の腹を突き刺してきた。
邦彦からの口から血が滴り落ちた。
愛人の郡上の復讐のため悦子は火を放ち爆破する。それに怒った聡一は悦子に襲い掛かる。しかし、死んだはずの邦彦がナタで聡一の腹を刺した。血糊を使って偽装したのだった。
聡一はアスファルトの上で痙攣していたが、やがて動かなくなった。
邦彦は3月末、リモートハラスメントしたことにより、ナイフ攻撃を回避できるようになった。小百合とのオンライン会議中に映り込んだ室内の様子や音声への過度な詮索をしたのだ。
5月7日 - 新型コロナウイルス感染症の治療薬として、抗ウイルス薬レムデシビルが承認された。通常は医薬品の承認申請から実際に承認されるまでは1年程度を要するが、今回は医薬品医療機器法の特例承認の制度を使い、申請からわずか3日というスピード承認となった。
午前6時15分ごろ、被害者である夕凪市議会議員の村岡秀治、56歳が自宅の寝室でうつぶせで倒れていたところを妻が発見したことによって事件が発覚した。
司法解剖の結果、死因は窒息死。神奈川県警察などによると、遺体に目立った外傷はないが、鼻と口に粘着テープが貼られ、両手足はひもで縛られていた。秀治の軽トラックは自宅からは無くなっていて、同日中に事件現場から直線で4km離れた黒狼村の国道の側道で発見されている。
警察による捜査によって事件前後の映像解析を4回行うが決定的な証拠は押さえられずにいる。
巌流島は強盗殺人だったのではないかと推測している。
10日夜、黒狼村の木造アパートに住む、邦彦の隣の家に2人の男が棺桶を運んでやってきた。この棺桶は入った人間を怪物にすることが出来る。邦彦はGACKTみたいに整形し、池亀和彦と改名していた。
11日夜、履歴書を書いていた邦彦は隣家の男が女の首を絞めて、遺体を棺桶に隠す場面を目撃、相手にも目撃したことを気づかれてしまう。邦彦は逃げようとしたが、足が竦んでしまっていた。
次の日の朝、邦彦の家に日野史郎と名乗る隣家の主人が現れた。邦彦は玄関の鍵、窓のロック、金庫のロックをして、収納庫にスマホや食糧を持って隠れていた。
鍵を閉めたはずなのに、日野が入ってこれたのは、メデューサと化した女が凄まじい力で回し蹴りをしたからだ。女は何やら叫んでる。日野は酒癖の悪い妻を殺して、怪物に変えたのだ。
メデューサは見た者を恐怖で石のように硬直させてしまうとされる。頭髪は無数のヘビで、イノシシの歯、青銅の手、黄金の翼を持っている（腰に蛇をまいた姿や、イノシシの胴体と馬の下半身になった姿で描かれることもある）。
海の神であるポセイドーンの愛人であり、ポセイドーンとの間に天馬ペーガソスと巨人クリューサーオール（「黄金の剣を持てる者」の意）をもうけた。
メデューサはペルセウスによって首を切り落とされ、退治された。切り落とされたメデューサの首から滴り落ちた血はペルセウスによって2つの瓶に集められ、アテーナーに献上された。右側の血管から流れて右の瓶に入った血には死者を蘇生させる効果が、左側の血管から流れて左の瓶に入った血には人を殺す力があったとされる。アテーナーは後に、死者を蘇生させるメデューサの血をアスクレーピオスに授け、彼はこの血を混ぜた薬を使用した。
元はコリントスで崇められたギリシア先住民族の主女神であり、本来はデーメーテールと同一神だったと考えられている。
死にたくない！
日野はすぐに邦彦を探し出し、ナイフで襲いかかってきた。収納ボックスは中から鍵は掛けることは出来ない。日野はナイフで邦彦の頭の辺りを狙ってきたが、邦彦は無傷だった。日野が拍子抜けしてる間に邦彦は収納ボックスから逃げ出した。
邦彦は小百合から譲り受けた聖剣で、メデューサの腹を突き刺して殺した。
難を逃れた邦彦は『ゾンビゲーム』という怪奇ドラマ番組の主役であり、ドラマ内では刑事の役でもある寒河江洋に悩みを打ち明けるが、視聴率の低下で主役を降ろされたばかりの寒河江は邦彦を頭のおかしい青年だと相手にしなかった。
窮地に追い込まれた邦彦は1人で家に立てこもって戦う準備をするが、その様子を見て心配した小百合・みき・豊島は寒河江を金で雇い、邦彦の思い込みを解こうと4人で浅草に住んでる寒河江の家を訪れる。日野は邦彦以外の3人を騙し通していたが、寒河江がかつて『ゾンビゲーム』で使った小道具の鏡で何気なく髪を整えようとするとそのドラマのゾンビと同じように日野が鏡に映らないことに気づく。
日野の正体は寒河江洋だったのだ。寒河江洋は芸名だ。
寒河江は係わり合いになるのを恐れて慌てて4人を追い出した。
「さあ、帰った帰った」
邦彦と豊島は小百合を家まで歩いて送っていくことにしたが、人通りの多いところを行こうとする邦彦に反発した豊島は狭い路地へ歩いていき日野の餌食となってしまう。ゾンビとなった豊島は邦彦を襲うが、駆けつけた警官が銃をぶっ放し、銃声に慄いた豊島は立ち去る。
邦彦と小百合は逃げ込んだ八百屋から巌流島に電話で助けを求めるが、その間に日野は小百合を魔力で誘惑した。小百合は日野のペニスを手でシコシコするようにまでなった。
邦彦に対して小百合を殺されたくなかったら、1人でビニールハウスに来いと言って小百合を連れ去ってしまう。
天才科学者、永井明はどんなものでも修復する魔法の液体、リペットを開発した。さらに以前は転送機なども開発していた。
つくば市に研究所がある。
13日、自分を取材した記者であり後に恋人となる豊島恵子の助言を得た永井は、それをヒントに改良を重ね、遂に生物の転送に成功。しかし、恵子と彼女の上司で元恋人の増成隆也との関係に嫉妬し泥酔した永井は、その勢いで自らの身体を実験台とした転送を行う。
転送直後は何一つ不具合はなく、むしろ転送前より強靭となった事で成功を収めたかに見えたこの実験だったが、その後永井の身体に数々の異変が発生。調査の結果、実験時に彼の入った転送ポッドに1匹のトカゲがまぎれ込んでおり、再構築にあたって、遺伝子レベルでトカゲと永井が融合したことが判明した。
異常な身体能力を得ると共に肉体は変貌し、爪は剥がれ、髪が抜け、耳が剥がれ、舌は異様に長くなった。歯や性器までも抜け落ち、日ごとに人間ではなくなっていく永井。それでも彼の身を案じる恵子だが自身の妊娠が発覚、彼女の胎内に宿った永井との子供もトカゲの遺伝子を受け継いでいる可能性があると知る。
恵子は「妊娠したが堕胎する」と永井に伝えに行く。「パパもゾンビになった。呪われてるのかしらね」と涙を流した。
しかし思考までトカゲと化しつつある永井がそれを妨害し、彼女に出産を迫る。恵子が「恐ろしくてとてもできない」と断ると、永井は彼女を研究所へ連れ去る。
15日の午後8時、増成はナイフを用意して研究所へ忍び込んだが、謎の侵入者によりナイフを奪われた。侵入者は増成にナイフで脇腹を刺されたが、顔色すら変わらなかった。
「おまえ、何もんだ！？」
増成の顔が引き攣っている。
増成は永井に手足を溶かされ気を失う。
「俺に協力してくれ」
侵入者は低い声音で言った。
「アポも取らずにいい度胸だ。嫌だね」
「君の妻は豊島恵子、36歳、新宿にあるブレイブ出版に勤務してる、そうだな？」
「妻に手を出したら生きて返さない」
侵入者は増成の頸動脈をナイフで掻き切った。
夥しい血が迸り、増成は絶命した。
「こんな風になりたくないだろ？」
午後11時、邦彦と永井はビニールハウスに向かった。どこかに監視カメラでも仕込まれていたのか？小百合は首を鋭利な刃物で切り落されて殺されていた。
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