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最終話「ジャズの悪魔とともに」
僕は、布池玻璃(ぬのいけ はり)。
人の話をあんまり聞かず、適当に流し、あとからオタオタする17歳だ。
何があっても平気な、かっこいい男になりたくて。空威張りもするけど、当分は なれそうにもないけど。
それでいい、っていうカノジョがいる。だからまあ、適度にハッピーだ。
そして時々。
5時間ぶっとおしでピアノを弾く。
鍵盤の上では『ジャズの悪魔』が、いっしょにスウィングしている。
明るく楽しく。
僕はどうしても飼いならせない悪魔と一緒に、成層圏のかなたで飛びまわっている。
『ムーン・リバー』『枯葉』『サマータイム』『二人でお茶を』『この素晴らしき世界』。
『この素晴らしき世界』。
僕のままで、そのまま自由に生きていていい、この素晴らしき世界に。
ジャズの悪魔とともに。
【了】
(Meridy ScottによるPixabayからの画像 )
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