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私は『風花雪月』と言う本を読んでいる。作者は『詠み人知らず』となっていた。
意味不明な文章と言葉の悪戯な羅列で構成されただけで、俗悪な作品としか言いようがないだろう。
これが作品としてこの世に出回っていることが信じられない。
部屋を照らす照明が力を失ってしまったように感じてしまうくらいなのだから、この作品に出会ってしまった事は不運としか言いようがないのだ。
トイレに行きたくなってきた。
一旦、読むのを止めよう。
気が滅入ってきてしまうだけだから。
部屋の空気が夜と朝は冷たくて嫌になる。
季節が変ってしまうのは仕方のないことだから諦めてはいるけど。
トイレから戻ったら、またこの作品の続きを読んでみようかな。
訳が分からないけど、何となく読みたくなってしまうのは何故だろう。
暇人が弄ぶ時間を楽しんでいると言うことなのだろうか。
スルッパの絨毯の擦れ合う乾いた音が音楽を奏でるように感じる静寂の中で、見慣れた部屋の壁の柄に吸い込まれるような一時を感じ取りながら、トイレのドアを静かに開く。
毎日、何処かで必ず見ている白い便器が、速くここに座れと待ち構えているかのように佇んでいる。
さっさと済ませたいが、喫急に迫られている訳ではない。
ゆとりと言う穏やかな空間にいるのだ。
便座にゆっくりと腰を下ろす。
落ち着いた一時が、静かにゆっくりと時間を流していき、ゆるやかな空間は余計な事を語ることなく、私の周りを優雅に漂っている。
あーーーーーーーー!
アソコがジンジンと疼いてきやがったよ!
誰とでもいいからさ!
やらせろーーーーーーーーーー!
ケーケッケケケケーーーー!
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