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「夏? 何、見てるの?」
夕飯後、そう言って俺に抱きついてきた真白に俺は『ん~?』と声を漏らし、リビングの棚に飾って見ていたそれを手に取り笑んでいた。
俺が手にしたのはシンプルな木製の写真立てでその中の写真には学生時代の俺と真白が綺麗な形で残されていた。
「この写真・・・好きだな~って思って」
俺は本当のことを口にし、真白を見つめ見た。
真白は俺の視線に気づいているのかいないのかわからないが俺に視線を向けることなく『俺も』と言ってにこりとし、その写真をじっと見つめていた。
「真白・・・この時のこと・・・覚えてる?」
「え? この時の・・・こと?」
真白のその反応に俺は『忘れてるね?』と不満の言葉を返し、大きな溜め息を吐き出した。
それに真白は『何?』を連呼したけれど、俺は『ノーコメント』で押し切った。
迷子だった。
俺も真白も・・・。
だけれど・・・もう俺も真白も迷子にはならない。
これからはもうずっと一緒だから・・・。
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