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 翌朝、巧はトーストをもぐもぐやりながら、兄の奏に聞いた。  父はもう仕事に出かけている。 「ねえ、奏くん。奏くんは将来、ロボットの勉強しようって決めてるの?」 「どうしたの、急に?」  奏は、ごくんと牛乳を飲み込んでから言う。 「だってお父さんが、奏くんは将来、ロボット工学をやるんだって言ってたから」  うーん、と奏は考えるように目を上に向けた。 「ロボットというか、医療機器のメーカーとかに就職したいんだ。新しい検査機械とかを作ってさ、癌の早期発見に役立つような発明をしたいんだ」  と、照れたように言う。 「それから、本当はね、ロボットを体内に入れて、癌の薬を塗り薬みたいに使えるようになったらいいなあって思ってるんだよ。それには薬の開発もしないといけないんだろうけどねえ。副作用が少なくなるんじゃないのかなって」 「ふうん……」  思っていたよりも兄がずっと具体的に将来のイメージを持っているので、巧はなんだか取り残されたような気がして落ち込んだ。
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